しっとり滑らかな口当たりと、ジューシーな甘みを持つ果物、洋梨。日本では山形県や新潟県を中心に栽培され、生食はもちろん、お菓子作りの材料としても人気です。
今回は、そんな洋梨の旬の時期について紹介します。洋梨の最も美味しい時期とはいつなのか、品種や産地ごとの旬について詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね◎
旬の洋梨の魅力
旬を迎えた洋梨は香りが強く、まるでスイーツのような甘い芳香を放ちます。この香りは独特で、同じ梨の分類に属する日本梨の香りとも全く異なります。
またしっかりと熟した旬の洋梨は味わいも格別で、濃厚な甘みの中にほんのりと爽やかな酸味を感じさせます。水分や糖分をたっぷりと蓄えた果肉は非常にジューシーで、口いっぱいに広がる甘い果汁を堪能できますよ。
洋梨の旬はいつ?
洋梨の旬は品種によって異なりますが、おおむね秋と考えて良いでしょう。洋梨は追熟が必要な果物なので、早いところでは毎年8月から収穫されはじめますが、実際に市場に出回るのは9月頃からです。
では洋梨は一体いつ購入するのが良いか、品種ごとの旬や出回り時期について詳しく見ていきましょう!
スーパーに出回るのは9月から12月まで
洋梨がスーパーに出回っている期間は、9月から12月頃まで。秋が旬の洋梨ですが、品種によっては冬でも出回っていることがあります。
とはいえ、品種ごとの旬は短く、時期を逃すと手に入り辛くなってしまうので、逃さずゲットしたい人は毎年9月中旬から11月頃までを目安に売り場をチェックしてくださいね◎
早生品種の特長と時期
早生品種とは、農作物の中でも成熟期間が短く、比較的早い時期に収穫できるものを指します。洋梨の場合、最も早い品種は8月中旬頃に収穫を迎え、8月下旬頃にはスーパーに出回りはじめます。
代表品種には「オーロラ」や「バートレット」があり、旬といえる時期は9月上旬から下旬にかけての短い間です。甘みはそれほど強くないものが多い傾向ですが、果物らしい爽やかな酸味を感じさせます。
中生品種の特長と時期
中生品種の洋梨は、早生品種より少し遅い9月中旬以降に収穫を迎えます。その後追熟を経て、9月下旬頃からスーパーに出回りはじめます。
代表品種には「メロウリッチ」や「ブランデーワイン」があり、旬の時期は10月上旬から中旬にかけて。中生品種の洋梨は早生品種に比べ甘みが強く、糖度は15度以上まで上がるものが多い傾向です。
晩生品種の特長と時期
晩生品種の洋梨は、秋の深まる10月から11月頃にかけて収穫されます。早いものは10月上旬頃から収穫されはじめますが、中には11月中旬以降にようやく収穫を迎えるものもあります。
代表品種には「ラ・フランス」や「ル・レクチェ」があり、旬の時期は品種によって大きく異なりますが、10月下旬から12月までとされています。晩生品種の洋梨は「これぞ洋梨!」といえる、まったりとした甘さと滑らかな食感を持つものが多い傾向です。
2023年人気ランキング
※2023年売上データ産地ごとの人気品種と旬
洋梨は品種によって収穫時期や旬が異なり、食べ頃を見極めるのが難しい果物ともいわれています。しかしせっかく食べるなら、最も美味しい旬の洋梨を味わってみたいですよね。
そこで、ここからは日本では数少ない洋梨産地の人気品種と、それぞれの旬の時期について見ていきましょう!洋梨を盛んに栽培している地域は限られているので、産地ごとの品種と旬が分かれば、食べ頃を迎えた美味しい洋梨をゲットしやすくなりますよ◎
山形県
山形県は、全国シェア約60%を誇る洋梨の一大産地。日本ではじめて洋梨栽培をはじめた県としても知られ、明治時代にイギリスから渡った「バートレット」が日本の洋梨の発祥といわれています。
そんな山形県の洋梨を代表する人気品種「ラ・フランス」は、国内生産量のうち80%以上が山形県で栽培されています。県内では10月中旬から下旬にかけて収穫され、11月から本格的に出回りはじめます。
山形県のラ・フランスは、マスクメロンにも似た柔らかく上品な舌触りと、甘みが強く濃厚な味わいが特徴です。旬の時期は、11月上旬から12月いっぱいにかけて。比較的長く旬を楽しめる品種です。
新潟県
新潟県は、国内生産量2位を誇る、日本屈指の洋梨産地。県内ではJA新潟かがやきを中心に、「ル・レクチェ」の栽培が盛んに行われており、新潟県を代表する特産品となっています。
ル・レクチェは洋梨の中でも晩生品種で、10月下旬以降に収穫されはじめます。最も食べ頃な旬の時期は、11月下旬から12月中頃までの短い間です。また、ル・レクチェは「幻の洋梨」と呼ばれ、世界的に希少な品種。時期を逃すと、入手困難になってしまいます。
ル・レクチェはラ・フランスとはまた違った、独特な芳香があり、口に含むとふくよかな甘みを感じられます。
青森県
りんごの産地として有名な青森県ですが、実は日本で有数の洋梨産地としても知られ、生産量は国内3位を誇ります。中でも主力となる産地は、南部町、三戸町、弘前市、青森市で、この3つの地域が県内約7割の洋梨を栽培しています。
青森県の洋梨の中でも特に人気なのが「ゼネラル・レクラーク」。青森県発祥の品種で、全体の約70%が青森県で栽培されています。旬の時期は10月下旬から12月にかけて。ゼネラル・レクラークは洋梨の中でも大玉で、果汁たっぷり。ジューシーな味わいが特徴です。
長野県
長野県は、豊かな水と天然土壌に恵まれた、美味しい洋梨の産地です。ラ・フランスやル・レクチェなどの人気品種をはじめ、早生品種の「オーロラ」も盛んに栽培されています。
オーロラは、長野県の洋梨の中では最も早く収穫される品種で、旬の時期は9月中旬から下旬頃まで。またオーロラはラ・フランスの後継品種といわれるほど食味に優れており、甘みと酸味のバランスが良く、口当たりは滑らかです。
福島県
年間を通して様々な美味しい果物を育てている福島県では、洋梨の栽培も盛んに行われています。生産量は国内5位を誇り、中でも人気品種「ラ・フランス」の栽培に力を入れています。
福島県は洋梨産地の中でも寒冷な気候で、比較的遅い時期に収穫を迎えます。たっぷりと時間をかけ、大切に育てられた福島県のラ・フランスは甘みが強く、香りも芳醇。ラ・フランスは通常10月下旬に旬を迎えますが、福島県では11月中旬からが旬で、最も食べ頃です。
まとめ|結局、いつ食べるのが一番美味しい?
今回は、洋梨の旬の時期について紹介しました。
洋梨は9月から12月にかけて様々な品種が出回り、それぞれ違った美味しさを楽しめます。中でも9月中旬から11月頃までが最も旬で、スーパーでも購入しやすい時期といえます。
日本で数少ない洋梨の産地では、秋に収穫のピークを迎え、全国に美味しい洋梨を届けています。旬の時期には、濃厚な甘みと芳醇な香りを持つ洋梨を、ぜひ味わってくださいね!
この記事でも紹介した新潟県産「ル・レクチェ」は、とろけるような食感と甘く豊かな芳香が人気の品種です。ご近所さんへのちょっとした贈り物に、お呼ばれされた際の手土産に、産地自慢の「幻の洋梨」はいかがでしょうか?JA新潟かがやきでは、県内で採れた新鮮なル・レクチェを旬の時期に合わせてお届けしています。11月より予約可能なので、気になる人はぜひチェックしてくださいね◎