瓢箪のような形に、甘い香りを纏った果物、洋梨。日本では比較的珍しく、同じ梨でも日本梨に比べると、まだまだ見かけることは少ないですよね。
今回は、そんな洋梨の特徴について紹介します!洋梨とはどんな果物なのか、美味しさや旬の時期など詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね♪
洋梨とは?洋梨の魅力は?
梨という果物は、大きく分けて「日本梨」「中国梨」「西洋梨」の3つに分類されます。いわゆる洋梨とは、この分類でいう西洋梨のことを指します。
洋梨というくらいなので、西洋で生まれたのかと勘違いしてしまいがちですが、発祥は中国とされています。そこから西へと伝わり、現在栽培されている洋梨品種の多くは、フランスやベルギーで誕生しています。
洋梨は他の梨に比べて果肉が柔らかく、シャリシャリとした日本梨とはまた違った食感が楽しめます。また甘みが強く濃厚で、スイーツを食べているような味わいも魅力です。
洋梨の主な産地は?
洋梨は中国で生まれ、西洋を中心に広まった果物ですが、日本では山形県、新潟県、青森県を中心に栽培されています。日本の洋梨は、この3県だけで約80%ものシェアを占めています。
中でも山形県は生産量、栽培面積共に1位で、日本を代表する洋梨産地といえます。次いで2位の新潟県では、美しい見た目と食味に優れた人気品種「ル・レクチェ」の栽培が盛んに行われ、県を代表する特産品となっています。
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※2023年売上データ日本の洋梨栽培の歴史
日本に洋梨が入ってきたのは、明治8年頃。イギリスを代表する品種「バートレット」の栽培が、山形県で開始されたことからはじまります。
当時、結実したバートレットをはじめて食べた山形県の農家は「まずい」と酷評したそうです。しかしその後、落実したものを拾って食べてみたところ、甘くて美味しかったというエピソードから、洋梨は追熟が必要な果物と判明したようです。
そして明治中期以降、洋梨栽培に適した寒冷な気候を持つ山形県や新潟県に定着し、日本でも洋梨栽培が本格的にはじまったとされています。
洋梨の代表品種と旬の時期
ここからは、日本で栽培されている洋梨の代表品種について見ていきましょう!元々はイギリス産のバートレットしか栽培されていなかった日本の洋梨ですが、時代が進み、現在では数多くの品種の栽培に成功しています。
洋梨は品種によって味、食感、見た目などの特徴が大きく異なり、それぞれ違った魅力を持っています◎
バートレット
日本に最初に入ってきた洋梨といわれている「バートレット」。発祥の地はイギリスで、洋梨らしいふっくらとしたお尻が特徴的な形をしています。
バートレットはとてもジューシーで、甘みと酸味のバランスに優れています。また洋梨の中でも特に香りが強く、熟すごとに甘く芳醇な香りを纏います。旬の時期は8月下旬頃から9月上旬にかけてで、早い地域では8月上旬頃から収穫されることもあります。
ラ・フランス
日本でも知名度が高く、人気の品種「ラ・フランス」。元はバートレットの授粉用として利用されていましたが、洋梨の生食文化が広まるにつれその美味しさが見直され、現在では日本で最も多く栽培される洋梨となりました。
ラ・フランスの果肉は繊維が少なく滑らかで、とろけるような口当たり。洋梨らしいまったりとした甘みと、やさしい酸味を感じられます。旬の時期は10月中旬から下旬にかけてで、全体の約85%が山形県で栽培されています。
オーロラ
洋梨の中でも大きく、重さは300~400gにもなる「オーロラ」。アメリカで誕生し、日本には昭和58年に入ってきました。
どっしりとした果肉には果汁がたっぷりと含まれていて、甘みと酸味のバランスに優れています。果皮は薄くナイフでするっと剥けて、食べやすさも満点です。旬の時期は9月上旬から中旬にかけてで、洋梨の中では早生品種となります。
ル・レクチェ
「西洋梨の貴婦人」とも呼ばれ、上品な香りと甘みに長けた「ル・レクチェ」。生産量が少なく、貴重な品種です。発祥の地はフランスですが、日本では全体の約80%が新潟県で栽培されています。
ル・レクチェの果皮には「さび」が少なく、ツヤツヤと輝く美しい見た目が目を引きます。また糖度は16度と非常に高く、まるでスイーツのような甘みを感じます。旬の時期は11月下旬から12月中旬にかけてで、熟すと鮮やかな黄色へと色付きます。
美味しい洋梨の特徴は?見分け方・選び方のコツ
洋梨は品種によってそれぞれ魅力が異なりますが、美味しい洋梨を見分けるには共通のポイントがあります◎洋梨を選ぶ際は、以下の点に注目してみましょう。
- 形が全体的にふっくらとしている
- 手に持ったときにずっしりと重みを感じる
- 軸の部分がしわっぽくなっている
洋梨は、お尻が膨らんだ特徴的な形をしていますよね。このお尻のふくらみがふっくらとしていて、丸みを感じられるのが美味しい洋梨の証です。
また店頭で選ぶ際は、ぜひ手に持って重みも確かめてみてください。ずっしりと重い方が、果肉や果汁の詰まった美味しい洋梨です。
最後に、洋梨は追熟する果物なので、収穫した手より熟したものの方が甘くて美味しいです。熟し具合を見分けるには、軸の部分に注目し、少ししわっぽくなっているものを選びましょう。
まとめ
今回は、洋梨の特徴について紹介しました。
洋梨は日本梨や中国梨と並ぶ、梨の分類の一種。中国で生まれた後、西洋に広がり、明治初期に日本へと渡ってきました。他の梨と違う、柔らかく滑らかな食感が特徴で、味わいは甘くてジューシーです。
毎年9月に入ると、各産地で続々と洋梨の収穫がはじまります。スーパーなどに並んでいるのを見かけた際には、ぜひ手に取ってその美味しさを味わってみてくださいね♪