12月に入ると本格的に出回りはじめるいちご。甘酸っぱくジューシーな味わいは、春頃まで楽しむことができます。実は、いちごにはたくさんの品種があるのをご存じでしょうか?
いちごは品種によって味わいや食感が異なり、食べ比べてみると面白いくらいにその違いが分かります。今回は、そんないちごの品種について紹介します。甘くて美味しい人気品種の特徴を詳しく解説しているので、ぜひお好みのいちごを見つけてみてくださいね◎
日本のいちごは全部で300種類もある!
いちごは世界中で愛されている果物ですが、その半分以上の品種は日本で作られたものだといわれています。現在、日本で栽培されているいちごの品種は約300種類もあり、各産地でオリジナル品種や新品種の開発も進められています。
このような生産者たちのたゆまぬ努力によって、日本のいちごはどんどん種類を増やしています。また、種類の多さだけでなく、日本のいちごは品質も良く、その良好な食味は海外でも人気を集めています。近年では、国産いちごの輸出量は増加傾向にあり、日本の農業を支える重要な作物となっているのです。
甘くて美味しい人気の品種TOP10!
ここからは、甘くて美味しい国産いちごの人気品種を紹介します。今回は、約300種類もある品種の中から、特に人気を集めている10種類をピックアップしました!
- 越後姫(えちごひめ)
- 章姫(あきひめ)
- あまおう
- とちおとめ
- かおり野
- ゆめのか
- 紅ほっぺ
- さくらももいちご
- スカイベリー
- あまりん
では、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう!
越後姫(えちごひめ)
越後姫は新潟県が誇るブランドいちごで、その甘さと香りが特徴的です。越後姫の糖度は非常に高く、平均で12度〜15度とされています。これはいちごの中でもトップクラスの甘さです。高い場合は15度を超えることもあり、その甘さは桃やメロンに例えられるほどです。
収穫時期は1月中旬から6月下旬頃で、4月中旬から5月中旬に最盛期を迎えます。また、越後姫の旬は2回あり、それぞれ「冬の越後姫」と「春の越後姫」と呼ばれています。冬の越後姫は大粒で酸味が少ないのが特徴で、春の越後姫は甘みと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが特徴です。
こちらの記事では、越後姫の特徴についてより詳しく解説しているので、気になる人はぜひあわせてチェックしてくださいね!
章姫(あきひめ)
章姫は、静岡県で誕生したいちごで、光沢のある鮮やかな赤色と縦長の円錐形が美しい品種です。平均糖度は9〜10度程度で、ベストシーズンには15度に達することもあります。平均糖度はそれほど高くありませんが、酸味が少ないため甘さを強く感じやすいのが特徴です。
12月頃から5月初旬頃まで店頭に並びますが、最も美味しい旬の時期は2月から4月頃にかけてとなっています。この時期の章姫は特に甘みが強く、小さなお子さんでもぱくぱく食べられる美味しさです。
あまおう
あまおうは福岡県で誕生したいちごで、「あかい」「まるい」「おおきい」「うまい」という特徴から、それぞれの頭文字を取って「あまおう」と名付けられました。糖度は10〜12度程度と一般的ないちごの平均値ですが、甘みと酸味のバランスが良く、濃厚で香り高い味わいを楽しむことができます。
あまおうの出荷時期は11月から5月頃までと長期間にわたりますが、最も美味しい旬の時期は1月から4月頃とされています。特に3月から4月にかけてが最盛期で、この時期のあまおうは味わいが非常に濃厚で食べ応え抜群です。
とちおとめ
とちおとめは栃木県で誕生した人気のいちごで、日本で最も多く生産されている品種です。糖度は一般的に9〜10度とされていますが、高糖度のものでは11〜12度に達することもあります。また、果肉がとてもジューシーで、頬張ると口いっぱいに甘い果汁が弾けます。
とちおとめは、早い産地では11月下旬から出荷が始まり、遅い産地では6月上旬まで収穫が続くこともあります。最盛期は2月から4月頃といわれており、この時期には全国から大粒のとちおとめが多く出荷されます。
かおり野
かおり野は三重県で誕生したいちごで、名前の通り優れた香りを持つのが最大の特徴です。糖度は13〜14度程度で、これは一般的ないちごと比べても高めといえます。強い甘みに豊かな芳香が加わり、食べ終えた後もふんわりと甘い余韻を残します。
出荷時期は12月から5月頃までで、特に多く出回るのは1月から2月頃となっています。この時期がかおり野の旬といえますが、店頭で購入する際は、甘い香りをより強く感じられるものを選ぶのがおすすめです。
ゆめのか
ゆめのかは愛知県で誕生したいちごで、「みんなの夢が叶う美味しいいちご」という意味を込め、「ゆめのか」と名付けられました。糖度は収穫時期によっては13度以上になることもあり、2023年1月に測定された長崎県産のゆめのかは糖度13.2度を記録しました。
12月頃から5月頃まで店頭に並び、1月から3月頃に最盛期を迎えます。旬のゆめのかは甘みと酸味のバランスが非常に良く、いちごらしい爽やかな風味も感じられます。また、果皮がほど良く硬いため傷みにくく、日持ちしやすいのも大きな特徴です。
紅ほっぺ
紅ほっぺは、静岡県で誕生した人気のいちごで、生食用としてはもちろん、ケーキのデコレーションやジャムなどの加工品にも多く活用されています。平均糖度は12〜13度といちごの中でも比較的高く、果実先端の糖度は14〜15度に達することもあります。
出荷は12月からはじまり、5月頃まで続きます。最も美味しく食べられる旬の時期は3月から4月頃で、この時期には果肉がしっかりと引き締まり、強い甘みと程よい酸味が織りなすコク深い味わいを楽しめます。
さくらももいちご
さくらももいちごは高級ブランドいちごとして知られる、非常に甘くて美味しいいちごです。徳島県名東郡佐那河内村でのみ栽培されているため希少性が高く、時期によっては入手困難となることもあります。糖度は中央が11〜12度、先端は16〜18度にも達します。
市場には12月頃から4月頃まで出回り、特に1月から4月頃が食べ頃といわれています。旬を迎えたさくらももいちごは格別の甘さで、まるでスイーツのような味わいを楽しめます。
スカイベリー
スカイベリーは栃木県で誕生した高級いちごで、「大きさ、美しさ、美味しさの全てが大空に届くような素晴らしいいちご」という意味を込め、「スカイベリー」と名付けられました。平均糖度は13度以上と高く、まろやかでジューシーな甘みが特徴です。
12月初旬から5月初旬頃まで出回り、特に1月から2月にかけての最盛期は大粒でしっかりとした甘みのスカイベリーが出荷されます。旬を迎えたスカイベリーは果皮の光沢が強く、見た目にも高級感があります。
あまりん
あまりんは、埼玉県で誕生した甘さが自慢のブランドいちごです。平均糖度は18〜20度と非常に高く、一般的ないちごの10度前後を大きく上回ります。先端の糖度は20度に達することもあり、「練乳よりも甘い」と評されるほどの強い甘みを感じられます。
12月から5月頃まで出回り、その中でも1月中旬から4月上旬かけてが最も甘く、美味しいといわれています。旬の時期にしか味わえない、その驚異的な甘さをぜひご堪能ください。
いちごを美味しく味わうコツは?
いちごの美味しさを最大限に味わうには、選び方と食べ方のコツをおさえましょう。まず、スーパーなどの店頭でいちごを選ぶ際は、以下のポイントに注目してみてください。
- 全体が艶やかな赤色で、ツヤと張りがある
- ヘタが鮮やかな緑色で、ピンとしているか反っている
- いちご特有の甘い香りがする
- 果実の先端に白色や緑色が残っていない
- つぶつぶがくっきりしている
これらのポイントに注目して選ぶことで、甘くて美味しいいちごをゲットできるでしょう◎また、食べるときは冷蔵庫で1〜2時間ほど冷やすと、果肉がぎゅっと引き締まり、より美味しくなります。なお、ジューシーさや果肉の食感よりも甘みを重視したい場合は、冷やさずに常温のまま食べるのがおすすめです。
さらに豆知識として、いちごの最も甘い部分は先端の果肉です。反対のヘタ側から食べ進めていくことで、いつまでも口の中に甘みが残り、余韻を長く楽しむことができますよ。
まとめ
今回は、いちごの品種について紹介しました。日本のいちごは約300種類もの品種が存在し、それぞれ違った美味しさがあります。この記事で紹介した10種類以外にも、甘みや酸味のバランスが異なる個性豊かないちごが各地で栽培されています。いちごの季節には色んな品種を食べ比べて、ぜひあなたのお気に入りを見つけてみてください◎
JA新潟かがやきでは、この記事でも紹介した新潟県が誇るブランドいちご「越後姫」を旬の時期に合わせてお届けしています。上品な甘みと柔らかくとろけるような食感が魅力の越後姫は、ご近所さんへのちょっとした贈り物や、お呼ばれされた際の手土産にもぴったりな一品です。気になる人はぜひ、JA新潟かがやき公式サイトをチェックしてくださいね!