【管理栄養士監修】梨の栄養・効果とは?むくみや便秘改善、体に良い理由を徹底解説

【管理栄養士監修】梨の栄養・効果とは?むくみや便秘改善、体に良い理由を徹底解説
平石奈月
監修者

平石奈月

管理栄養士

歯科医院で食事指導と口腔環境の改善に携わる栄養士としてキャリアをスタート。その後、国立研究機関での勤務を経て、現在は歯科衛生士養成校にて生化学・栄養代謝学・化学の講義を担当している。『楽しく・美味しく・元気に食べる』をモットーに、糖尿病療養指導士としての知識を活かしながら、特定健康診査の受診者を対象とした生活習慣病予防や栄養指導にも取り組んでいる。

みずみずしくて甘い梨は、秋の訪れを感じさせてくれる大人気の果物ですよね。しかし、「美味しいけれど、水分ばかりで栄養はないのでは?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。実は、梨には便秘解消やむくみ予防、疲労回復を助ける嬉しい成分がたっぷり詰まっています。この記事では、梨に含まれる主な栄養素とその効果、身体に良い理由や効果的な食べ方まで分かりやすく解説します。

梨の栄養成分と特徴|水分90%でも「栄養がない」は誤解?

「梨は水分ばかりで栄養がない」という噂を聞いて、本当かなと不安に思うこともありますよね。たしかに梨の約88%〜90%は水分で、エネルギーも100gあたり38kcalと比較的低めですが、「栄養がない」というのは大きな誤解です。

文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」に基づく、日本なし(可食部100gあたり)の主な栄養成分と期待できる役割は以下の通りです。

栄養成分 含有量(可食部100gあたり) 期待できる主な働き・役割
水分 88.0g 日常的な水分補給や、暑い時期のうるおい維持をサポート
カリウム 140mg 体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す
食物繊維総量 0.9g 腸内環境を整え、お腹のスッキリ感をサポートする
ビタミンC 3mg 皮膚や粘膜の健康維持を助け、コラーゲン生成に関与する
ビタミンE 0.1mg 抗酸化作用により、体内の脂質を酸化から守る
葉酸 6μg 赤血球の形成を助け、体のすこやかな発育に関与する

このように、梨は低カロリーでありながら、健康維持や日々のコンディションを整えるために役立つ栄養素がバランスよく含まれています。

梨に含まれる主な栄養成分と期待できる効果

梨に含まれる主な栄養成分とその働き、期待できる効果について詳しく見ていきましょう。

水分・食物繊維・ソルビトール|便秘予防と腸内環境の改善

お腹のすっきり感や便秘に悩んでいると、毎日の食生活を見直したくなりますよね。

梨は水分が豊富なことに加え、小腸では吸収されにくい食物繊維や「ソルビトール」を含んでいるため、スムーズな便通を助ける効果が期待できます。

カリウム|余分な塩分排出を促しむくみ解消・高血圧予防

顔や足の「むくみ」や、高血圧予防が気になるという方も多いのではないでしょうか。梨に含まれるカリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)の排出を促す作用があります。

塩分の摂り過ぎは高血圧の原因の一つです。日頃から塩分を多く摂りがちな方は、減塩を意識するとともに、食事からカリウムをしっかり摂取することが大切です。

カリウムを手軽に補いたいときは、日々のデザートや間食に梨を取り入れてみるのもおすすめです。

ビタミンC・ポリフェノール|肌荒れ防止と美容・アンチエイジング効果

いつまでも若々しく健康的な肌を保ちたいものですね。梨には、皮膚や軟骨を構成するコラーゲンの合成に欠かせない「ビタミンC」が含まれています。ビタミンCは肌のハリを保つだけでなく、鉄分の吸収を高める働きもあります。

また、梨に含まれるカテキンやポリフェノールには、体内で増えすぎると老化の引き金ともなりうる「活性酸素」を取り除く抗酸化作用があります。ビタミンCとの相乗効果で、体の内側から美容と健康をサポートしてくれますよ。

アスパラギン酸・プロテアーゼ|疲労回復と胃腸の消化サポート

「なんだか体が重い」「夏の疲れが抜けない」と感じることはありませんか。梨には、アミノ酸の一種である「アスパラギン酸」が含まれています。アスパラギン酸はエネルギー代謝に関与する成分で、栄養ドリンクなどにも利用されています。

さらに、「タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)」も含まれているため、お肉や魚、大豆製品など、タンパク質を多く含む料理の食後に梨を取り入れると、消化を助けて胃腸の負担を和らげる働きが期待できますよ。

和梨と洋梨(ラ・フランス等)で栄養の違いはある?

店頭でシャキシャキした「和梨」とねっとり甘い「洋梨(ラ・フランスなど)」を見かけると、栄養の違いが気になりますよね。

実は、和梨と洋梨では成分のバランスがやや異なります。和梨は水分が多く、シャキシャキとした食感を生み出す「石細胞(ペントザンやリグニン)」、食物繊維やソルビトールが含まれ、水分補給やスムーズな便通に適しています。

一方、洋梨は和梨に比べて食物繊維が約2倍(100gあたり1.9g)含まれており、特に整腸作用の高い水溶性食物繊維が豊富です。水分補給やシャキシャキ感を楽しみたいときは「和梨」、食物繊維をより多く補いたいときは「洋梨」と、目的に合わせて選んでみるのもおすすめですよ。

梨の効果的な食べ方と摂取時の注意点

梨は美味しいだけではなく、健康や美容に良い影響をもたらす栄養素が含まれています。そんな梨の栄養を、より効率よく摂取するおすすめの食べ方をご紹介します。1日あたりの適量や食べる際に覚えておきたい注意点なども解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

栄養を効率よく摂るおすすめの食べ方

そのまま食べることが多い梨ですが、スムージーやジャムなどに加工しても美味しくいただけます。また、サラダに入れても食感や風味が良いアクセントになり、料理の幅が広がりますよ。

コンポートやパイなどの加熱調理もできますが、梨に含まれる栄養素の中には熱や水で失われてしまうものもあります。そのため梨の栄養をなるべく損失せずに摂取するなら、生で食べるのがおすすめです。

さらに、梨の栄養をより無駄なく取り入れたいなら、皮ごと食べてみましょう。梨の皮は少しざらざらしていますが、しっかりと水洗いすれば皮も食べられます。特に、食物繊維は梨の皮にも含まれているので、果肉だけ食べるよりも多くの食物繊維果を摂取することができますよ。

1日に食べる梨の適量は?1日およそ2/3個が目安

梨に限ったことではありませんが、美味しいからといって食べ過ぎてしまうと、健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。健康や美容に良い栄養素を豊富に含む梨ですが、糖質も多く含まれています。食べ過ぎれば糖質の摂り過ぎによる肥満を招きかねません。

厚生労働省・農林水産省による「食事バランスガイド」では、健康のために摂取したい果物の量を1日200g(可食部)程度としています。梨1個当たりの重さは平均300g程ですので、これを踏まえると1日に食べる梨の目安はおよそ2/3個であるといえます。

もちろん梨の大きさによっても異なりますが、丸ごと1個以上食べると食べ過ぎになる可能性があるため、分けて食べるようにすると良いでしょう。

食べ過ぎると「おなら」が増える?適量を守るべき理由

「梨を食べたらお腹が張ったり、おならが増えたりした」という経験はありませんか。実はこれ、梨に含まれる糖アルコール「ソルビトール」や食物繊維が関係しています。

ソルビトールは小腸で吸収されにくく、大腸まで届いて腸内細菌の餌になりガス(おなら)を発生させたり、水分を引き込んで便をゆるくさせたりする性質があります。お腹の健康に良い成分ですが、一度に大量に食べ過ぎると腸の負担になることもあるため、やはり1日2/3個程度の適量を守ることが大切です。

アレルギーに関する注意点

梨は、食べると口の中や喉にかゆみやしびれ、むくみなどの症状が出現する「口腔アレルギー症候群」を引き起こすことがあります。特にカバノキ科(ハンノキ、シラカンバ)の花粉症のある方が梨を食べると、口腔アレルギー症候群が起こりやすいといわれています。多くは時間とともに症状が消失しますが、重い症状が現れることもあるため注意が必要です。

花粉症があり、梨を食べて口の中がイガイガしたり喉が詰まるような感じがあったりする場合は、念のため医療機関を受診し医師に相談してみましょう。

まとめ|梨の栄養を活かして日々の健康と美容に役立てよう

梨は「水分ばかりで栄養がない」どころか、便秘解消を助ける食物繊維やソルビトール、高血圧予防に役立つカリウム、疲労回復を促すアスパラギン酸など、身体にも嬉しい栄養成分を含む果物です。

1日2/3個(約200g)を目安に生や皮ごと味わうことで、日々の健康や美容の強い味方になってくれます。食べ過ぎやアレルギーには注意しつつ、旬のみずみずしい梨を美味しく食生活に取り入れてみてくださいね。

この記事のまとめ
  • 梨の栄養と誤解:梨は約90%が水分ですが「栄養がない」は誤解で、カリウムや食物繊維、アスパラギン酸などの栄養成分が豊富に含まれています。
  • むくみ・便秘への効果:カリウムによる余分な塩分排出と利尿作用でむくみを予防し、ソルビトールと食物繊維がスムーズな便通と腸内環境の改善を助けます。
  • 効果的な食べ方と適量:栄養を逃さない「生食」や「皮ごと」がおすすめで、食事バランスガイドに基づく1日の適量は約2/3個(200g)です。

JA新潟かがやきでは、主力品種の「幸水」をはじめ、甘くてみずみずしい梨を旬の時期に合わせてお届けしています。新潟の梨は、高糖度でしっかりとした甘さがあり、豊かな果汁と香りが口いっぱいに広がります。気になる人は、ぜひJA新潟かがやきの公式サイトをチェックしてくださいね!


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平石奈月
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平石奈月

管理栄養士

歯科医院で食事指導と口腔環境の改善に携わる栄養士としてキャリアをスタート。その後、国立研究機関での勤務を経て、現在は歯科衛生士養成校にて生化学・栄養代謝学・化学の講義を担当している。『楽しく・美味しく・元気に食べる』をモットーに、糖尿病療養指導士としての知識を活かしながら、特定健康診査の受診者を対象とした生活習慣病予防や栄養指導にも取り組んでいる。

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